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2011年冬 スペインツアー その15 (2011年12月3日) [スペイン]

2011年12月3日
トーマス・クシネさんにレイダ駅まで送ってもらうとフェレール・ボベのイサベルさんが待っててくれました。フェレール・ボベのジープでD.O.コステルス・デル・セグレのカステル・デンクスに向かって出発です。

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カステル・デンクスはトーマス・クシネと同じD.O.コステルス・デル・セグレにありますがサブゾーン的には全く違うエリアでピレネー山脈の麓、標高1,000mの地にあるパジャルス・ジュサという地区にボデガがあり、たのサブゾーンとは全く異なった環境のエリアです。

このカステル・デンクスは山一つが所有され、その一部が葡萄畑となっています。ここのオーナーはスペインで最も有名なボデガ、トーレス社で現CEOで活躍するラウル・ボベ氏なのです。
ラウル・ボベ氏は16年間トーレス社の醸造責任者を務めており、あの大量生産の中でも品質が高いと言われているトーレス社のワインはラウル・ボベさんの力があってこそだったのです。

トーレス社のワイン研究所はヨーロッパ最高と言われ、そこを牛耳っていたのもラウル・ボベさんなのです。トーレスのスタッフの一人だったので個人的な名前は一般的には知られませんが、スペインワイン界では誰もが一目置く存在で知識、経験ではスペインで最も優れた醸造家として知られます。

そのラウル・ボベさんがトーレス社とは対局の自分の手によって造る小規模なボデガでのワイン造りを行いたく、D.O.コステルス・デル・セグレでカステル・デンクス、D.O.Ca.プリオラートでフェレール・ボベを立ち上げました。

レイダ駅から2時間ぐらいでカステル・デンクスに到着。駐車場に着くとラウル・ボベさんが出迎えに来てくれました。ボベさんと会うと本当に心が和みます。
同行の青木先生のリクエストで12世紀の修道院の遺跡跡にある岩穴の発酵槽を見に行きました。現在、カステル・デンクスでは、この岩穴の発酵槽を使ってワイン造りが行われているのです。

その前にラウル・ボベさん自慢のお部屋へ。

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ボベさんは東洋思想などがお好きでよくここで座禅を組んだりするそうです。去年、訪問の際、とても暑い日でここで昼寝をさせてもらったのですがとても涼しかったです。やっぱり石の建物って違うのですねぇ。

それでは岩穴の発酵槽ツアーです。

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なんでも好奇心いっぱいのボベさん。普通はここでワイン造りをしようなんて思いませんよね。でもそれをやってしまうのがラウル・ボベさんなのです。今まで培ってきた知識、経験を全て注ぎ込み、ワイン造りを行っています。
この岩穴の発酵槽は前回の訪問時、私が葡萄を足で踏んだ発酵槽です。そのときはシラーを踏みました・笑。

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いろいろなボデガでポンプを使用せず重力でワイン造りを行っていることを自慢するボデガが多いが昔はみな、重力を使い行っていたとボベさんは笑っていました。

マスター・オブ・ワインのサラ・ジェーン・エヴァンス女史(英国)がこのあいだ遊びに来て、岩穴でつくったワインをいくつか飲んだ時、その味わいの素晴らしさに驚き、もっと岩穴のワインを造るべきだとボベさんに言ったそうです。その話をしているときのボベさんはとても嬉しそうでしたよ。

ボベさん曰く『まだ100%岩穴だけのワインは造る予定はない。その比率はその年の出来映えなどで考える』と。
でも、岩穴の発酵槽だけでつくったワインがただひとつ存在するのです。

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この岩穴の発酵槽で造ったワイン。
クエスト・エスペシャル・クップ・カベルネ・ソーヴィニヨン2009 がそのワイン。これは偶然に生まれたワインなのです。

世界のレストランBest50で第2位に輝いたレストラン、カン・ロカ。そのカン・ロカのシェフ・ソムリエのジュセップ・ロカはスペインを代表するソムリエ。そのジュセップ・ロカがとても気に入っているのがカステル・デンクスのワインたちです。たまに訪れ樽からテイスティングをし、気に入った樽は樽ごと購入すると聞きました。

00006705_photo1.jpg昨年の訪問時、ラウル・ボベさんに『僕もジュセップ・ロカみたいに樽ごとをテイスティングし、気に入った樽を購入したい』と言ったところ、ハルヒコなら良いよと言ってくれ、数多くの樽をテイスティングしました。

そしてひとつの樽を選び、どんなワインなのかを聞いたところ、クエストのブレンド用のカベルネ・ソーヴィニヨンで、100%岩穴で醸したワインだと教えてくれました。基本的にカベルネ・ソーヴィニヨンはあまり好きではないのですがこのカベルネ・ソーヴィニヨンはとても軽やかでエレガントなワインでした。

で、私がスペインに行っているときに日本に到着、帰国後飲んだ完成型はブラインドではなかなかカベルネ・ソーヴィニヨンとは言えないような、酸が綺麗でエレガントなワインに仕上がっていました。軽やかなボディだが緻密な味わいに120%の喜びを感じました。こういったカベルネ・ソーヴィニヨンなら私は大歓迎です。
ワインバー・エスペルトでもグラスワインでお出ししたとき、皆様からたくさんの『美味しい』をいただきました。

たくさんの岩穴発酵槽を見たあと、一番標高の高い畑を見に行きました。ピレネー山脈がもうすぐという場所です。

ここにはピノ・ノワールがメインに植えられているのです。スペインのピノ・ノワール、ピノ・ノワール好きの皆様は興味大ではないでしょうか。

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このエリア、雹害がひどく、それを防ぐネットが張られます。
ここから多くのワイン専門家がスペインNo.1ピノ・ノワールという "アクスプ" というワインが生まれるのです。このアクスプ、デビューヴィンテージの2008年はあまりパッとしませんでしたが、翌2009年ヴィンテージからは素晴らしいワインとなっていました。やっぱりさすがのボベさんでも初めてのピノ・ノワールは難しかったのでしょう。でも、一年で素晴らしいワインに仕上げてしまうボベさんの腕前、本当に驚きです。

畑の見学を終え、ボデガへ。
本当に綺麗に片付けられている素晴らしいボデガです。

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ご覧の通り、本当に素晴らしいボデガです。

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テイスティング時のボベさんは本当に真剣でこの時間だけはピーンと気が張り詰めます。
この日はステンレスタンクから4つのリースリング&2つのアルバリーニョをテイスティング。その感じたキャラクターを各々発表し、自分でつくるならばどんなブレンドをするかなど聞かれました。はい、とても緊張しながら行ったテイスティングでした。

その後、各タンクのワインはどんなワインだったのかをラウル・ボ
ベさんから教わり、驚いたり、納得したりととても興味深い経験をしました。その後樽からのテイスティング、ここでは同じ品種の葡萄の岩穴の発酵槽と木製発酵槽のテイスティング。
シラー、ピノ・ノワール、カベルネなどを飲み比べましたがその味わいは全く違い、岩穴の方がどれも複雑実ある味わいに仕上がっていました。不思議ですね、ワインって。

そしてテイスティングルームで完成品のテイスティングを時間をかけおこないました。カステル・デンクスのワインはなにを飲んでも本当に美味しいです以前はリースリングのエカムが大好きでしたが、ここに来てソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンドのタレイアの方が自分の中では逆転しました。でもどっちも抜群の美味しさですけどね。
シラーのタレイアもピノ・ノワールのアクスプも最高でした!

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テイスティングも終了し、いざホテルへ。

今宵のホテルは "Torenp"

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田舎町の小さなホテルですがここのレストランはなかなかの美味なのです。ラウル・ボベさん、イサベルさんと一緒に食事。

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ラウルさんから今回もたくさんのためになる話が聞けとても楽しく嬉しくなりました。
明日は一緒にフェレール・ボベには行けないボベさん、フェレール・ボベもここで飲もうとのこととなり、この日もたくさんのワインを飲みました。ボベさんが造るワイン、本当に美味しいです。


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24時もまわり、私たちもボベさんも朝が早いので解散、部屋に戻り就寝。

じつに為になった一日でした。


〔カステル・デンクス〕 現在、販売中のワインたち
http://www.wizumiya.co.jp/category/1089.html

☆白ワイン☆
エカム 2008
タレイア 2008

★赤ワイン★
タラルン 2008
クエスト・エスペシャル・クップ・カベルネ・ソーヴィニヨン 2009


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